第4回 日本看護シミュレーションラーニング学会学術集会

第4回 日本看護シミュレーションラーニング学会学術集会

ご挨拶

このたび、第4回日本看護シミュレーションラーニング学会学術集会を2023年2月18日(土)に開催させていただくことになりました。本学会は、第1回学術集会から新型コロナウイルス感染拡大状況により延期、その後WEB開催へ転換するなど先進的な取り組みを行ってまいりました。第2回は「AI時代の看護教育~先端技術とつながるシミュレーション教育の可能性~」、第3回は「看護シミュレーション教育の挑戦」をテーマに掲げ、オンラインでの開催でしたが、会員の皆様との交流によりLIVE感のある大会が繰り広げられました。少しずつ現地開催の学会も増えてきたことから、第4回は兵庫県明石の地で皆様の交流の機会としていただけるよう準備をすすめております。

第4回学術集会のテーマは「未来を見据えて看護シミュレーションラーニングの本質を問う」です。新型コロナウイルス感染症の流行は、人と接し関わることが基本とされる臨床現場、教育現場に大きな変革を繰り返し迫りました。感染流行一年目は、急遽オンラインでの講義に転換が必要となり、学内演習や臨地実習は代替方法を考えざるを得なくなりました。これまで当たり前に行っていた教育方法が通用しなくなり、代替方法として多くの教育現場でシミュレーションが取り入れられました。一方で、情報技術の進歩とともに看護実践・教育の分野にもDX(デジタルトランスフォーメーション)の波が押し寄せています。VR(仮想現実)など駆使した教育が取り入れられるなど、取り巻く環境は変化の途にあります。新型コロナウイルス感染症の流行は、看護界、教育界のDXを加速させることにもなりました。このような状況のなか文部科学省はデジタルトランスフォーメーション(DX)等の手法を活用することにより従来の実習では獲得できなかった能力を修得させる教育プランを構築し、即戦力となり得る実践的な知識を身に付けた医療人材養成を行うことを目的として「ウィズコロナ時代の新たな医療に対応できる医療人材養成事業」を打ち出し、138大学が採択され、それぞれの大学で新たな方法が模索され始めています。

2022年度は、新型コロナウイルス感染症対策をはじめて3年目となりますが、第7波が押し寄せてきている今、いまだ感染の収束は見えません。少しずつ対面での教育活動も再開されていますが、オンラインやシミュレーションを活用した教育は恐らく0にはならず、むしろ今後ますますその方法論は多様化していくことでしょう。しかし、試行錯誤で行ってきた教育デザインや方法は果たして教育効果を保証できているでしょうか。

基調講演では長年にわたりシミュレーション教育に精力的に携わってこられた阿部幸恵先生からご講演いただきます。またDXがもたらす看護教育のトランスフォーメーションについて、各大学での取り組みを紹介していただくシンポジウムを企画しております。改めて、今、看護シミュレーションラーニングとは何か、その本質を議論し、未来を見据えた人材育成をどのように展開していくか、シミュレーション教育に関心のある参加者の皆様とともに考え、交流できることを楽しみにしております。

第4回日本看護シミュレーションラーニング学術集会大会長
小西 美和子(兵庫県立大学看護学部)
増野 園惠(兵庫県立大学地域ケア開発研究所)